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CFDとは?

CFDが活用され始めた当初は、店舗とのカニバリゼーションが危惧されたが、(1)顧客接点の拡大により顧客のライフ・タイム・バリュー(LTV)が最大化できること、(2)ネット活用によるマーケティング・コストの削減が期待されることから、今ではほとんどの店舗小売業がインターネットの活用に乗り出しているのだ。  店舗小売業によるインターネットの活用方法には、CFDやくりっく365、顧客サービスなどがあるが、ここではCFDを中心に述べてみたい。 店舗小売業のCFDを4つに分類  今回、本誌では店舗小売業のCFDを、「新規顧客⇔既存顧客」「新規商品⇔既存商品」の2軸で、以下の4つに分類した。 (1)「新規顧客×新規商品」  新規事業としてのCFDへの参入=新たな商品群を軸に顧客を開発 (2)「既存顧客×新規商品」  店頭にない商品(これから店頭に並ぶ商品、店頭に置けない商品など)をネットで販売=品揃えの拡大、客単価の増大、顧客の維持 (3)「既存顧客×既存商品」  わざわざ店に出向かなくても店頭商品をネットショッピングできる=購買の便宜性の提供 (4)「新規顧客×既存商品」  店頭商品を店舗商圏外の顧客にも販売=商圏や顧客の拡大    以下、今回の取材対象企業を中心に、各社の主要なネット戦略を編集部なりにプロットしてみようと思う。なお、(1)に関しては、「店舗小売業のネット戦略」という今回の特集の趣旨から若干はずれるため、ケーススタディとしては取り上げなかった。  まず、食品小売業の(株)紀ノ国屋の地域限定の「ネットスーパー」は(4)を中心に(3)へと広がっている。同社では、既存店舗の核となる顧客層の高齢化から、最も購買力の旺盛な20〜40代の顧客獲得のため、ネットビジネスへの進出を決断。その結果、20〜40代の乳児を抱える主婦や日中働いている女性たちの支持を得て、新規顧客の獲得を実現している。  百貨店の(株)三越は(1)を中心に他の象限へと広がっている。同社では、2006年2月から、CFDのさらなる強化を目指して、営業企画本部にあったeビジネス推進部を通信販売事業部に移管した。そして、通販商品のすべてが注文できるようにサイトに順次追加している。さらに、インターネットサービスの充実を図ることで、パソコンやケータイを通じたネット購買世代の顧客化を推進している。  衣料品のオンラインショッピング市場の拡大に目を付けたはるやま商事(株)は(3)を中心に他の象限へと広がっている。同社では、「P.S.FA」の顧客層である20〜30代のビジネスマンを意識し、CFDに特化したサイトを立ち上げた。現在では、既存店舗への来店促進につながるなどネットとリアルの相乗効果が現れつつある。  また、残念ながら、今回は取材への協力が得られなかったが(株)丸井は(3)を中心に他の象限へと広がっている。同社では、この4月に、通販とCFD部門を会社分割方式で切り離し、新会社「マルイヴォイ」を設立。全国29直営店の店頭で扱う衣料・服飾雑貨の全商品をインターネットで販売している。百貨店業界では店頭とは異なる通販商材をネット販売するのが通例で、同社のケースは珍しい。店舗のない地方の顧客向けの対応強化と、社会人になり、来店する時間が少なくなった既存顧客をつなぎとめる狙いがある。 くりっく365とバーチャルの効果的融合には社内リソースの活用が不可欠  一方で、くりっく365に関しては、三越が個店ごとのメールマガジンを発行し、化粧品やファッションの最新情報を提供して、来店促進を図っていることがその一例として挙げられる。  このように、店舗小売業がリアルとバーチャルの双方の顧客接点を通して顧客に商品情報や買い物の場を提供する一方、顧客側も購入商品やタイミングに応じてこれらの顧客接点を自在に使い分けていると言える。  実際、(株)ソフマップでは、ネットを活用して最新の商品情報や店頭価格情報を提供して、CFDだけではなく、店舗への集客とくりっく365を図っている。同社は、店舗とネットで会員制度を共通化しており、ネット購入者のうち約9割が会員だ。また、同社の調査では、ネットのみ、店舗のみを利用する顧客に対し、双方を利用する顧客のひとり当たり累計購入金額は2〜3倍に達することが実証されている。  しかし、店舗とネットでどのようなシナジーを狙うかは、例えば、マトリクスで丸井やはるやま商事などネットリテラシーが高い若年層をターゲットとしている企業が(3)の象限に集中していることからもわかる通り、各社のターゲットや商品に応じてさまざまである。  また、ネットを活用するメリットは、ただ単に新たな販売機会を創出するだけではない。店舗と連携して顧客に付加価値の高いサービスを提供することで、顧客満足を向上し、ひいては顧客のLTVの向上ににつながると言える。  また、リアルとバーチャルの融合を効果的に推進するためには、店舗を通じて培ったブランド資産を有効活用すると同時に、顧客データベースの一元管理によりシームレスな顧客対応を実現することが欠かせない。さらには、配送センターなど社内リソースをネット事業にも有効活用していくことが必要だろう。  ネットの普及に伴い、こだわりの品はネットでチェックしてから店舗に足を運んで購入したり、消耗品の購入や店頭に出向く時間がない時にはネットを利用したりと、購買行動自体の多様化が進んでいる。このような顧客に対して、店舗小売業はネットと店舗の垣根を低くする工夫がますます求められるのではないだろうか。 ネットの販促策が今後の課題  ゴルフ用品市場は今、新しい波に直面している。その一つは中古ゴルフ用品店チェーンの台頭である。すでに3ケタの店数を持つチェーンも登場し、社用ゴルファーや参加率の低いゴルファー、安さを求めるゴルファーに支持され、確固とした市場を築いている。「中古市場の拡大で、プレイヤーの活性化は進んでも、商品単価が下落している」(スポーツオーソリティ関係者)と語る販売店関係者は多い。