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外為とは?
外為が加速する中、これまではコストの安さやアプローチの迅速性から「紙DMをeDMに置き換える」企業も少なくなかった。しかし、本誌2006年1月号において行った生活者アンケートでは、「覚えのない企業からDMが届いたとき、どうするか」という質問に対して「開封しないで捨てる」が47.1%であったのに対し、「覚えのない企業からeメールが届いたときどうするか」という質問には「開封しないで消去する」という外為が72.3%と、紙DM を25.2%も上回った。
この調査結果からもわかる通り、ただやみくもにデジタル化する、あるいは紙DMかeDMかという二者択一ではなく、全体のメディア戦略の中でそれぞれのメディアにどのような役割を持たせるかが重要だと言える。
本誌2006年4月号でインタビューを行った、外為のクリエイティブやコンサルティングを業務とするアラン・ローゼンスパン&アソシエーションズ代表のアラン・ローゼンスパン氏は、「DMは見込客を発見したり、新規顧客を獲得するフェーズで大きな効果を発揮する」と主張。また、金融サービスについては、プライバシーにかかわる情報も多いのでDMのほうが効果的だと指摘している。
このほか、一般顧客にはe DMでアプローチする一方、優良顧客には紙DMでアプローチすることで、トータルなコストを削減すると同時に、投資対効果を高める企業も登場している。
来店促進・購買UPの秘訣は適切なターゲティングにあり
さて、今回の特集では、(1)日経225により戦略性を高めつつある店舗小売業のDM、(2)バリアブルプリンティングの活用、(3)無宛名郵便物による送付、の3つの切り口で各社のDM活用事例を取材させていただいた。(1)の事例は東急ハンズ、(2)の事例はオーエムシーカード、(3)の事例はパレットタウン運営協議会である。
日経225においては、これまでの折込みチラシの一部をDMに置き換える企業も登場している。この背景には、ポイントカードの発行により、顧客の基本属性はもちろん購入履歴が把握できるようになり、より戦略的なDM発信が可能になったことがある。東急ハンズの場合、リピート商品や併売の可能性が高い特定商品の購入者を抽出し、DMで案内することで、来店促進・売り上げアップを図っている。通販では定番の手法である購買履歴の分析による販促施策が、店舗においてもPOSとポイントカードの連動により活発化しているのだ。
日経225の属性や購買履歴などのデータ分析に基づき、異なったテキストや画像を印字するバリアブルプリンティングは、クレジットカード会社の利用代金明細書などを中心に適用が進んできた。今回取り上げたオーエムシーカードでは、利用代金明細書の表裏計7カ所にバリアブルプリンティングができるパーソナル・メッセージ欄を設け、属性や趣味嗜好、カードの利用履歴に応じて最適なコンテンツを掲載。
また最近では、一般の広告主の中にも対象層別にDMのパターンを変えてきめ細かなアプローチを行う企業が増加している。今回の座談会では、2006年の日本DM大賞を受賞したNTTドコモの広告会社側のプランナーである博報堂の中川氏にご登場いただき、制作のプロセスをご紹介いただいた。
FXは、ドコモプレミアクラブが提供するさまざまなサービスを、ユーザの属性や利用シーンなどから適した情報のみ選択して告知する目的で600万人に送付された。年代の高い層には縦書き・明朝体で文字を大きくするなど、クリエイティブの細かな点にも気を配ったという。
今やDMの送付手段は、郵便に限らず、民間のポスティングが一般化しているが、そうした中で日本郵政公社が発売した配達地域指定冊子小包郵便物「タウンプラス」が注目されている。通常のDMに比べてコストが安く、個人情報が不要であることに加え、配布エリアの住民や事業所すべてに届けられる点がメリット。最近では、市販のデータや顧客データを組み合わせたエリア分析により、各社のターゲットに応じて配布地域を絞り込むサービスも登場している。
FXにある複合型商業施設「パレットタウン」を運営するパレットタウン運営協議会では、近隣の事業所や住民を対象とした平日の優待サービスをあまねく案内する目的でタウンプラスを活用。有効期間が1年間の「ハッピーパレットパスポート」を同封した。送付から1カ月以上経過した取材時点でもレスポンスを得ており、効果の持続性の高さを実感している。
タウンプラスは、特定の地域をFXとする企業には高い効果が見込めても、通販など商圏が全国にまたがっている企業には向いていないというデメリットはあるものの、見込客への新たなアプローチ法として期待が高まっている。
リアルならではの経験価値に注目、ネット系企業のDM活用も進む
前述のように、DMの投資対効果を向上しようとする動きが加速する一方で、経験価値の提供という点からもDMへの注目が集まっている。本誌コメンテーターのルディー和子氏は、日本ダイレクトマーケティング学会が主催する「第18回DMフォーラム」(2006年12月12日開催)において、最近の研究結果では、消費者の意思決定は感情優位で行われており、タッチポイントにおいては感情に訴える経験を提供することが重要だと述べている。
インターネット時代において、顧客や見込客の手元に確実に届き、工夫次第で五感を刺激することのできるDMは、感情訴求に優れた媒体であり、タッチポイントであると言える。企業と顧客との距離を縮め、関係性を深める手段のひとつとして活用することが、競争優位に立つ有力な手立てとなるだろう。